同行多数は心強し(2024年3月・葛城修験)

 修験の集合は、辺境で絶望的に朝早い。京都にある最寄り駅は朝5時前の出発になる。 朝8時過ぎにJR和歌山線の粉河駅に到着。修験装束の方と合流して、車で粉河寺に送ってもらった。  この日は晴天。巨大な朱の山門が出迎えるてくれる。土産物屋の前に、もう参加者が集まっている。西国三十三カ […]

精も根も尽きる~初修験(2023年9月・葛城修験)

 「初めての方でも大丈夫ですよ」  甘い言葉にほだされてしまった。 大阪で映画「修験ルネッサンス」を鑑賞した。トークショー後、初めて話す修験者が、修験への参加を勧めてくれた。一度は体験してみたいと思っていただけに…これを逃す手はない。 普段は和歌山で会社員をしているという花井師に […]

他流試合(2023年7月・京都・東福寺)

40度近い暑さが続く京都であるが、この日はおだやかな暑さである。なんせ、朝6時だから。東福寺の日曜座禅会に初参加した。 京都駅を南下し、寺の近くの来ると、道が急にせまくなる。一方通行の小径を進むと、緑に囲まれた門が見える。車でくぐっていいものかと、そろりと進ませると、警備員さんが […]

暑くても、寒くても(2023年7月)

座禅については、弱音ばかり書いている。だが、本当にそう感じるのだから仕方ない。ありのままを吐露させていただく。 以前、冬の座禅は寒さがつらいみたいなことを書いた。季節は巡って、7月。猛暑である。早起きしたので、6時ごろから座り始めたが、10分もすると、ねばっこい汗を上半身に感じる […]

なま半跏?(2023年7月)

なんとか40分の座禅もこなせるようになってきた。香川県の弘法大師の母方にあり、もう一つの誕生寺ともされる海岸寺の住職が、大師生誕1250年を祝うため、護摩行1250座をされている。こちらもささやかながら、座禅を百座しようと発心した。 10座はクリアしたのだが、いかんせん足の痛みは […]

暗夜行路(2023年6月)

自業自得の話ではある。日曜日の夜であった。大阪のジャズバーで気分良く飲んでいたが、大阪駅で京都行き新快速に乗り込んで、やばいと思った。 「近江八幡から(家までの)電車ないやんけ…」 案の定、近江八幡駅に11時半過ぎに着いたのだが、無情にも近江鉄道の接続はなかった。タクシー…でも5 […]

戒めから一座(2023年6月)

大きなことを口にして始めたコラムだが、しばらく戒をサボっていた。忙しかったからか、否それより怠惰だったのであろう。 思い直して、6月から六斎日の持戒を再開した。戒めもあり、一座持つことにした。平たく言うと、家での座禅である。 一座は約45分とされる。禅道場では、線香を1本立てて、 […]

「導師」と「同志」

思い立ったら座禅である。3月も近いというのに、滋賀ではうっすら雪も積もるほどの寒い日だった。滋賀が寒ければ、京都も寒い。ただ思い立ったのだから仕方ない。鳥取のイベントでご縁をいただいた伊藤副住職のお寺、建仁寺にある塔頭両足院を訪れた。 参加者は多くなさそうだが、何人か集まるまで受 […]

禅僧の語る「戒」

高松にある禅道場「喝破道場」でハーブティーをいただいていると、外の雨が激しくなってきた。野田住職にたずねた。 「曹洞宗は戒律が特に厳しいですね」 道元禅師は、食事のことにも厳しい規律をもうけた。曹洞宗だけは、僧侶が自ら畑を耕す。これは、権力を避けるために自活しようという考えからき […]

「破戒」を「破壊」

仏教界のターニングポイントとしては決まって鎌倉新仏教の時代が上がる。死ねば阿弥陀さんが救ってくれるという他力本願の浄土宗や浄土真宗、臨済宗や曹洞宗といった禅宗など、こんにちに続く宗派が続々出ている。 ただこんにちの研究では、そんな時代でも仏教界の主流はいわゆる旧仏教であったといわ […]

戒からはじめよ!

仏教徒の証しってなんだろう。キリスト教のように、「啓示系宗教」でない仏教には、旧約・新約聖書のような教科書はない。 では、お寺に行くから仏教徒なのか。そこに仏教徒としての信心は希薄に思える。 お坊さんを見渡す。出家する際には寺で修行する。読経もすれば、座禅もするだろう。 ただ、わ […]