墓と幽霊と暗渠の三位一体(2016年8月・東京都谷中・全生庵など)

う~ん、体中があちこち痛い。そして若干の寝不足。深夜バスに乗るのなんて、何年ぶりだろうか? 仕事を終え、昨夜は見送る妻に、「大丈夫ぞ! 達者でな」と、名古屋から勇躍飛び乗ったが、朝の東京駅八重洲口では、軽いめまいなどしておる。 ただ、来たからには寺めぐり。   円瓢とま […]

福島県の富岡町から1年(2016年8月・福島県富岡町・浄林寺)

1年ぶりの福島訪問である。富岡町にある浄林寺の施餓鬼法要に参加させていただいた。     鳥取県倉吉市を2012年6月に出発した笑い仏は、2015年7月に最終目的地の浄林寺を安住の地とさせていただいている。被災地のみなさまの笑顔を少しでも取り戻せるようにと。 […]

ナイス指摘ぞ、ユーチューバー!(2016年・7月・富山県高岡市・瑞龍寺、高岡大仏)

先日、NHKの中部地方を紹介する情報番組を見ていたら、前に訪れた富山県高岡を取り上げておった。   高岡を簡単に説明すると、富山県では、富山市に次いで、第2の都市で、北陸の大観光地・金沢の西にある。 番組では、高岡の観光協会の方が、金沢新幹線開通で盛り上がる北陸人気にの […]

うどんと富士塚と陽水(2016年6月・東京都・小野照崎神社)

言うまいか、言わぬべきか?   東京でうどん屋に入った。 なんでも「関西風手打ちうどん」とある。関西出身の懐かしさで入ったら、満員。結構有名な店なのかもしれない。忙しそうにおやじが、一人で店を仕切っている。そのため、おそろしく回転が悪く、 8人がけのカウンターでうどんが […]

お寺との幸福な関係とは(2016年6月・愛知県・永正寺、正法寺)

愛知県江南市にある永正寺を訪ねました。 福島県に「笑い仏」を運んだ際にお世話になったお寺です。 (そのときの活動の模様はこちらに) いつも忙しい中村副住職にお時間を取ってもらいました。 このお寺は、「攻める寺」です。 様々なイベントを仕掛けています。 昨今は、ヨガ教室などイベント […]

なつかし寺めぐり(2016年3月・大阪市・愛染堂など)

ひょんなことで、相撲に行くことになった。大阪場所である。初日前日に「土俵祭」なるものが開催されている。その名の通り、新たに土俵を作る際のお清めの行事で、正真正銘の神事である。 大阪場所は、両国と違い、行事ではなく、宮司さんを呼んで行う。土俵の真ん中に米や勝ち栗などの縁起物を鎮め、 […]

何もない沖縄の寺(2016年2月・宜野湾市・神宮寺)

生命力がほとばしる真緑の植生 明らかに日本とは異なる南国風料理の味付け 国道から結界がなされる異様な米国基地、 刺激的な邂逅を暗示する土地、 それがヤマトンチュウー(本土人)にとっての沖縄である。 だが、しばらく沖縄にいると、その期待は幻想であることがわかってくる。   […]

遠州紀行②~もう一つの火まつり~(2015年12月・浜松市・秋葉神社)

前コラムで訪れた可睡齋の火まつりが終わるのが、12月16日である。実は、この日も秋葉の火まつりは行われている。 西に行った浜松市の天竜川沿いの山の奥、秋葉神社の大祭である。 前後するが、そもそも可睡齋の火まつりは、秋葉神社境内にあった秋葉寺(しょうようじ)で行われていた。それが、 […]

谷町筋はディープな香り(2015年12月・大阪市・北向き不動など)

瀧之坊と大阪で待ち合わせて寺巡りをした。大阪駅から南に下った谷町九丁目から、四天王寺のあたりは、以外に知れていないが、寺密集エリア。聖徳太子創建の四天王寺をはじめ、約200の寺があると言われている。   今回は、空石主導でなく、瀧之坊に先達をつとめてもらった。名前のごと […]

生き残った寺(2015年11月・愛知県豊田市・山中観音堂など)

歴史に、もしもなどない。でもしかし、あの愚行がなかったなら…。応仁の乱、織田信長の延暦寺焼き討ち、太平洋戦争中の金属供出令など。明治期の神仏分離令はこの中に必ず入る。神仏分離令は、神道を国教化し、天皇中心の政府をつくるため、1868年に出された。新政府の中枢だった薩摩藩などでは、 […]

大須にて出会った神々(2015年11月・名古屋市・七寺など)

ある意味で、仏教ブームはちまたで定着した感がある。テレビでも趣旨には首をかしげるが、お坊さんが主役の『ぶっちゃけ寺』なる番組もある。最近、友人から本をプレゼントしてもらった。   「絶対、好きな本だと思ったので」   これは、ありがたい。だが、手に取って、少し […]

遠州紀行①~見てはいけないもの~(2015年12月・静岡県袋井市・可睡齋)

夏休みを12月に取るって、どうなんだろ?休めるだけましと、前向きに考えて、寺に参ろう。   可睡齋という寺に行きたいと思っていた。 名前は聞き慣れないだろうが、れっきとした専門僧堂もある曹洞宗の大寺である。いわれは、徳川家康が命の恩人でもあるお寺の仙麟和尚を浜松城に招い […]

遠州紀行③~灯台から見えたデンジャー~(2015年12月・袋井市・油山寺)

結構見どころがあるんです。遠州三山なんてのがあります。静岡西部にある可睡齋、尊永寺、油山寺の三名刹をさします。   前の2つはすでに制覇済。残るは1つ。油山寺は、眼病に効くということで有名である。怪僧道鏡を寵愛したことで知られる孝謙天皇(聖武天皇の娘)の眼を治したそうで […]

つかみきれぬ山(2015年8月・奈良県生駒市・宝山寺)

先日、仕事で関西に帰ったら、仕事場が生駒山の山麓だった。 翌日、連れと飲んだ。 彼は「生駒はやっぱりええ。ホッとするというか、心が洗われる」と宣う。 ふうん、そんなものかね。 そういえば、私も縁のある聖天さんを祀る宝山寺には、 しばらく行けてないもんなぁ。 こりゃ、「顔見せぇや」 […]

不退のダンス(2015年8月・岐阜県郡上市・大乗寺)

郡上には、1度行ってみたかった。なぜって?聞くも野暮よ。郡上踊りを見るためゾ!なにがスゴイって、この踊りは7月11日からはじまって、9月5日まで約2カ月もの長きにわたり、行われておる。お盆の8月13日から16日はクライマックス!徹夜踊りでは、夜の8時から朝の4時ごろまで踊り倒す。 […]

思えば遠くに来たもんだ(2015年5月・北海道札幌市・弘法寺)

武田鉄矢主演の映画のタイトルではない。だが、舞台の秋田県角館よりさらに遠い北海道にいる。いわゆる北の大地だ。気温が違うし、風が違う。 とはいえ、こんなところだからこそ、寺を訪れたいと思うのが人情?知人のお坊さんに電話をすると、グーグル並みの即レス返事だ。   「OKです […]

まこも?(2014年9月・三重県・竹成大日堂)

「まこも」とはなんぞ?  すぐにピンときた向きはよほどの食通とお見受けする。わたしも40年以上生きてきて、つい最近知った。 妻が陶芸の題材として、「羅漢さんをみたい」という。東海地方で調べると、竹成五百羅漢という石仏群がヒットした。では、さっそくGO!だだっ広い平地に目的地はあっ […]

北向きです(2014月9月・長野県上田市・北向観音)

前項コラムで、後醍醐天皇陵が北を向いていることを書いた。このたびも北向きの話である。 舞台は、長野県である。夏は新緑がすがすがしく、風が涼しい。中高年向きの雑誌に、「田舎暮らしのランキングの1位が長野」とあった。そんな気にさせる風土が確かにある。 足を運んだのは、別所温泉というと […]

善光寺に引かれて、岐阜参り(2014年5月・岐阜市・岐阜善光寺)

 前回のお話は、長野の善光寺のものだが、今回は岐阜の善光寺のお話です。GWの岐阜は実にのどかです。さらにもって、観光客もまばらで静けささえ漂います。ほどよく心地いい。岐阜はそんなところです。  御本家の善光寺では、怪人に会った話をしました。  (善光寺の怪(2014年4月))   […]

善光寺の怪(2014年4月・長野市・善光寺、西方寺)

 長野に行ってきました。昔、スキーでよく訪れたのだが、まちを見るのは今回が初めて。実に気持ちのいいところだった。そばがうまいし、人も親切。高い建物がないので、視界が開けていて、圧迫感が全くない。いや実にすがすがしい。  まあ、あっしが行くとこにゃ、必ずお寺があるわけです。日本仏教 […]

世界遺産の前から世界が愛でた風景(2013年6月・静岡市清水区・清見寺)

静岡県は清水というところです。 この地は、有名な漫画家を生み出しています。 さくらももこさん。「ちびまる子ちゃん」は、作者のこの地での思い出がベースになっているそうです。   国民的漫画ですが、エンディングでも国民的ソウルミュージシャンが歌ってましたね。 忌野清志郎! […]

ピンクレディーが裏切り者?!(2013年6月・静岡市・宝台院)

急須の使い方を知らない子どもが増えているという。 ただ嘆くほどのことではあるまい。 時代が進めば、「お茶くみ女」とかの蔑称もなくなるかもしれないし、彼らはスマートフォンの使い方は完全に熟知している。 「今の子ども」はあるところでは、「昔の大人」を確実に凌駕している。だって、急須と […]

博多はラーメン…じゃない!?(2013年6月・福岡市博多区・聖福寺、承天寺)

博多で友人に会うと、面白いことを言う。   「みんな、ラーメン、ラーメンっていうけど、俺がホントに旨いのはうどんとよ」   そんなん聞いたことない、と思いきや街を眺めると、意外にもうどん屋が多いのである。 関西人が、「どこのお好み焼きが旨いん?」と聞かれても、 […]