樂茶碗よりよかった京仏壇!(2017年2月・京都市・みやこめっせ)

京都国立近代美術館の「茶碗の中の宇宙」展に行ってきた。       寒くて雨というのに、人だかり。 おそらく京都の町で、利休が愛でた樂茶碗の博覧会ともなれば、足を運ばざるを得なくなるのであろう。 まぁ、よかったと思います。初代・長次郎のシーサーみたい […]

福島の蓋(2017年2月・京都市・京都精華大学)

「太陽の蓋」という以前から見たかった映画を大学のホールで鑑賞した。東日本大震災による福島第一原発事故の官邸の緊迫感を忠実に描いた秀作であった。   映画は、東電の無能ぶりとそれに右往左往させられる官邸の混乱ぶりを描いていた。 ただ、観客の半数以上はゲストに引かれて、足を […]

天台修験をめぐる地獄・序章(葛川明王院)

113系という国鉄時代からある車両に揺られて、京都から琵琶湖を目指す。深緑の田舎車両だが、なかなか味わいのある列車だと思っている。ただ、絶滅危惧種ではある。     新幹線や東海道本線で琵琶湖の東側はよく通るだろうが、この湖西線が走る西側を通る人は多くはないだ […]

天台修験をめぐる地獄・完結編(無動寺)

さて、翌日の31日は再び比叡山だったのだが、宿泊は京都市内にした。西本願寺の信徒施設、聞法会館に泊まるためだ。   「部屋は車いすの方も使われるタイプなので、ちょっと広くなってございますよ」   受付の方の対応が優しい。さすが、敷居が低いとされる浄土真宗だ。ち […]

天台修験をめぐる地獄・第二章(伊崎寺)

なぜか仏友は積極的である。先へ行こうとのたまう。あんな地獄に遭ったばかりなのに。   でもまぁ確かに、車という「飛び道具」を有効利用しない手もない。特に我々にとっては極めて珍しいツールなのだからな。ということで、次なる天台修験の聖地、伊崎寺に向かった。   伊 […]

愛情たっぷり貞慶さん(2017年1月・京都府木津川市・いづみホール)

まずもって、貞慶さんて誰やねんでしょ。   そうですよね。僕はさわりぐらいは知ってますよ。法相宗の僧侶で、笠置寺におったぐらいのことは。でも、それ以上は知りません。だから、仏教オタクが5人ぐらいやったら怖いなぁぐらいに思っていました。   ところが…。木津川市 […]

お前に見せたいものがある!(2017年1月・奈良県五條市・陀々堂念佛寺)

お前に見せたいものがある! 先輩の車で、奈良県でも奈良市内からかなり南に降った五條に拉致された。 この先輩、見かけによらず、寺のみならず全国の珍スポットマニアで、それを制覇することをある種の〝行〟としており、今弘法を自認されている。 難波を昼に出発し […]

墓と幽霊と暗渠の三位一体(2016年8月・東京都谷中・全生庵など)

う~ん、体中があちこち痛い。そして若干の寝不足。深夜バスに乗るのなんて、何年ぶりだろうか? 仕事を終え、昨夜は見送る妻に、「大丈夫ぞ! 達者でな」と、名古屋から勇躍飛び乗ったが、朝の東京駅八重洲口では、軽いめまいなどしておる。 ただ、来たからには寺めぐり。   円瓢とま […]

福島県の富岡町から1年(2016年8月・福島県富岡町・浄林寺)

1年ぶりの福島訪問である。富岡町にある浄林寺の施餓鬼法要に参加させていただいた。     鳥取県倉吉市を2012年6月に出発した笑い仏は、2015年7月に最終目的地の浄林寺を安住の地とさせていただいている。被災地のみなさまの笑顔を少しでも取り戻せるようにと。 […]

ナイス指摘ぞ、ユーチューバー!(2016年・7月・富山県高岡市・瑞龍寺、高岡大仏)

先日、NHKの中部地方を紹介する情報番組を見ていたら、前に訪れた富山県高岡を取り上げておった。   高岡を簡単に説明すると、富山県では、富山市に次いで、第2の都市で、北陸の大観光地・金沢の西にある。 番組では、高岡の観光協会の方が、金沢新幹線開通で盛り上がる北陸人気にの […]

うどんと富士塚と陽水(2016年6月・東京都・小野照崎神社)

言うまいか、言わぬべきか?   東京でうどん屋に入った。 なんでも「関西風手打ちうどん」とある。関西出身の懐かしさで入ったら、満員。結構有名な店なのかもしれない。忙しそうにおやじが、一人で店を仕切っている。そのため、おそろしく回転が悪く、 8人がけのカウンターでうどんが […]

誰がために鐘は鳴る…(名古屋市・興正寺)

仏友との語らいもフィナーレを迎えようとしていた。   名古屋に戻ってきたこともあり、寺選びに難儀した。   「こんなところでよければのう…」   愚生が申し訳なさそうに提示したのは、名古屋市内の八事にある興正寺だ。由緒ある大寺である。 新たな大仏とい […]

岐阜県関に空前のブーム到来! ~刀と五郎丸~

地獄めぐりの季節ががやってきた!   息巻いたが、これを書いている今は、凍えるような寒さはとうの昔にぶっ飛んだ暑い夏なのだが…。 さておき、今年の地獄は、小生の都合で、年が明けてからと相成った。東京から仏友・円飄を待ち受け、 まずは昨年お世話になった愛知県江南市の永正寺 […]

お寺との幸福な関係とは(2016年6月・愛知県・永正寺、正法寺)

愛知県江南市にある永正寺を訪ねました。 福島県に「笑い仏」を運んだ際にお世話になったお寺です。 (そのときの活動の模様はこちらに) いつも忙しい中村副住職にお時間を取ってもらいました。 このお寺は、「攻める寺」です。 様々なイベントを仕掛けています。 昨今は、ヨガ教室などイベント […]

いろいろやってんで(2016年3月・大阪府藤井寺市・葛井寺)

実ににぎやかな境内だった。そりゃ縁日やもん。そりゃそうよ。毎月18日の葛井寺の縁日に足を伸ばして行ってみた。   ここを訪れる人の目当ては、1043本のお手手を持つ国宝・千手観音座像であろう。今の小生はそこまでご開帳仏に興味はないが、ご多分にもれず同じ目的となった。 な […]

なつかし寺めぐり(2016年3月・大阪市・愛染堂など)

ひょんなことで、相撲に行くことになった。大阪場所である。初日前日に「土俵祭」なるものが開催されている。その名の通り、新たに土俵を作る際のお清めの行事で、正真正銘の神事である。 大阪場所は、両国と違い、行事ではなく、宮司さんを呼んで行う。土俵の真ん中に米や勝ち栗などの縁起物を鎮め、 […]

これからも福島をつなぎます!

寒い3月が続きます。 2011年3月11日からは5年が過ぎました。 鳥取県倉吉市の仏師・山本竜門さんがつくられた「笑い仏」がおられる福島県の浄林寺からはがきが届きました。 まだ寒さは続いている様子ですが、11日にはみなと法要をされたそうです。 今年も8月6日に施餓鬼法要を行われる […]

何もない沖縄の寺(2016年2月・宜野湾市・神宮寺)

生命力がほとばしる真緑の植生 明らかに日本とは異なる南国風料理の味付け 国道から結界がなされる異様な米国基地、 刺激的な邂逅を暗示する土地、 それがヤマトンチュウー(本土人)にとっての沖縄である。 だが、しばらく沖縄にいると、その期待は幻想であることがわかってくる。   […]

遠州紀行②~もう一つの火まつり~(2015年12月・浜松市・秋葉神社)

前コラムで訪れた可睡齋の火まつりが終わるのが、12月16日である。実は、この日も秋葉の火まつりは行われている。 西に行った浜松市の天竜川沿いの山の奥、秋葉神社の大祭である。 前後するが、そもそも可睡齋の火まつりは、秋葉神社境内にあった秋葉寺(しょうようじ)で行われていた。それが、 […]

半田の朝~ミツカンさん

元旦、せっかくだからと、一夜を過ごした半田の町を闊歩した。 一見、何もない田舎町だ。だが、ここにはお酢で有名なミツカンの本社がある。さらに、道路は三車線。トイレに入ろうとした病院は、近代的な雰囲気がある(営業しておらず、暖を取るもくろみは外れたが…)。   「何かおかし […]

半田の夜~日蓮さんと宗門系大学

宿は半田に取った。 なかなかよいビジネスホテルで、大晦日に家族連れが大挙する上質感が素敵だった。 そして、夜も仏教トークが続いた。当たり前過ぎることなのだがな、MONKの旅なのだから。 釣り師が揃って呑んでいるのに魚の話が一切出てこない図など想像できんだろう。 仏友は先日、所要に […]

谷町筋はディープな香り(2015年12月・大阪市・北向き不動など)

瀧之坊と大阪で待ち合わせて寺巡りをした。大阪駅から南に下った谷町九丁目から、四天王寺のあたりは、以外に知れていないが、寺密集エリア。聖徳太子創建の四天王寺をはじめ、約200の寺があると言われている。   今回は、空石主導でなく、瀧之坊に先達をつとめてもらった。名前のごと […]

極楽寺⑦~久々の浜名湖

ようやくまとまった休みが取れたので、静岡県周辺をぶらり。浜名湖を眺めていると、福島を目指す笑い仏の巡礼の際にお世話になった極楽寺に寄ろうと、考えた。   突然の訪問にも、ご住職夫妻には文句も言わず、お付き合いいただいた。なぜかここのお寺に来るときは、いつも快晴。 &nb […]

生き残った寺(2015年11月・愛知県豊田市・山中観音堂など)

歴史に、もしもなどない。でもしかし、あの愚行がなかったなら…。応仁の乱、織田信長の延暦寺焼き討ち、太平洋戦争中の金属供出令など。明治期の神仏分離令はこの中に必ず入る。神仏分離令は、神道を国教化し、天皇中心の政府をつくるため、1868年に出された。新政府の中枢だった薩摩藩などでは、 […]