須磨寺⑤~本堂の仏様、大師堂、護摩堂~

今日は須磨寺にいらっしゃる多くの伝説やワシの仲間の仏様…と言っても歴史的に大先輩にあたる方々を紹介しようと思うとる。
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四国八十八箇所のお砂踏み

■ 本堂の仏様

須磨寺の本堂ご本尊様には、平安時代の初めに、漁師が和田岬の沖で引き上げられた、聖観世音菩薩様が鎮座なさっておる。その聖観世音菩薩様の脇を固めるは、不動明王・毘沙門天と不屈の魂の込められた勇ましい脇仏様で、この寺を守っておられる。

須磨寺は松風村雨物語で有名な在原行平が参籠して、勅勘を許されたと伝えられておられるようじゃが、その後、火災、洪水、地震などの災害により、たびたび建て直されてきた歴史があるのじゃよ。最近では、阪神淡路大震災で多大な被害がでたのじゃが、そのたびごとに再建されきたのじゃ。

この須磨寺の底力には、慈悲深い聖観世音菩薩様と、強靭な魂の持ち主の不動明王様・毘沙門天様を脇仏として多くの方々の御信仰があってのことなのじゃろうな。ワシも東北に向けて旅する身、その精神を是非とも、身に付け届けたいものじゃ。本当に大先輩に当たる仏様じゃ。

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 本堂の様子
■ 大師堂
本堂向かって左の大師堂には、弘法大師様が鎮座なさっておる。須磨寺は真言宗十八本山の一つ、真言宗須磨寺の大本山であり、真言密教を現在に伝える由緒あるお寺じゃからな。密教を日本に伝えた、かの天才僧侶・弘法大師様が守っておられるお寺とは、本堂の仏様に負けない強力な布陣じゃのう。ちなみに、「須磨のお大師さん」と親しまれているらしいぞ。本堂境内の脇の参道より、裏の山の奥の院にも宗祖、弘法大師様がお祀りされておる。ぜひご確認を。

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 大師堂の正面

■ 護摩堂

本堂に向かって右手には、護摩堂があるようじゃ。「護摩」とはサンスクリット語の「ホーマ(壇などの意)から来ているといい、特殊に加持された「護摩木」を炎に投じて、人々の様々な願いを祈願したり、仏の智慧の火で自身の煩悩を焼き払う儀式じゃ。密教に伝わる修法なのじゃが、このお堂こにお祀りされているのは、正面に仏界の慈悲深いスパルタ教師の不動明王様、左脇に陽炎を神格化した摩利支天様…そういえば、この仏様は、この近くの湊川で戦死した楠木正成殿の兜にも付けられていたのう…。そして、向かって右側には神変大菩薩、つまり行者さん達のスーパースターとして有名な、修験道の開祖、あの役行者様がおられる。中々、他では見られない仏様達の布陣じゃわいのう。

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 本堂から護摩堂へ

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