いやあ、実に初夏は暑いが、瑞々しい緑がすがすがしい。
広い境内には、いろいろなみどころがある。ちょいと、案内してみるとするか。
仏足石の遠景
これは「仏足石」といって、わしこと仏陀(釈迦如来)の足跡を模写したものじゃ。
わしは「死後に、どんなものも記念につくってはならぬ」と弟子に伝えた。
それで、死後しばらくは姿ではなく、車輪(法輪)や足跡や菩提樹などによって表されておったのじゃ。ここまでは聞いたことのある御仁も多いと思う。
仏足石の説明
ではなぜ「足跡」なのじゃろうか?
これは、わしが、民衆に説法をする様を象徴しているのじゃ。
つまり、架空のわしが上に立っとるわけじゃな。
しかもわしの足はちょっと独特でのう。
見ての通り、足の裏がいわゆる扁平足で、足の指も長い。中心には法輪が刻まれておる。
足の裏が平らなのは、しっかりと大地と密着しているさまを表しておるのじゃ。
まあ、アーチがないと少し疲れるのだがのう。
今でも、上座部仏教 (初期の仏教教団の伝統を濃く引き継ぐ) の地であるタイやラオスなどでは多くの仏足石を見かけるのじゃが、ここ日本でも札所になっている古刹ではやはりお目にかかるものじゃ。一度みなさんも探してみなされ。