ママ、まま、間々?(2019年2月・愛知県小牧市・間々観音)

まま観音というお寺が愛知県は小牧にある。

「間々観音」と書く。
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あとで記すが、ここは「お乳」のお寺で知られているため、
母上の「ママ」かと思えば、それは違うらしい。
お寺の方によると、昔から崖や傾斜地のことを「まま」と呼び、古来より周辺は「間々」と言われていたという。
三重県の桑名にも間々という地名が残り、栃木にも「間々田」という土地があるという。千葉には「真間」という地名もある。
観音様は崖に出現して、人を救うという。だからそこの観音様で間々観音。名前の由来である。
だが、お寺の辺りは平らな土地であるが…。
「信長の時代はあそこに見える小牧山にお寺があったんです」
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晴れ空の下に、こんもりした森が見える。
一度行ったことがあるが、そこは織田信長が美濃攻略のために築いた小牧城があった場所である。
「もともとあそこにあったのを信長の時代にここに移されたらしいんですよ。
山中に石碑が立っていますよ」
それは知らなかった。
なるほど、間々観音と呼ばれるゆえんは理解した。
さて、境内に入ると、いきなり驚かされる。
手水舎に水が注がれているのだが…これがなんと女性の2つの乳房からときている。
だからお乳のお寺なのか。
こちらもいわれがしっかりある。
昔、貧しく乳の出が悪かった母親が、赤ん坊のためにと、
なけなしのお米を観音様に供え、お祈りしたところ、
突然お乳が出るようになり、赤ん坊がすすすくと育ったという。
我が子のみならず、他の赤ん坊に分け与えるほど出たため、観音様のおかげと、お乳に効験があると広まったのだという。
境内はお乳であふれている。
絵馬もそうだし、本堂のお守りにもお乳がデザインされている。
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しごく真面目な信仰であるから、ほほえましく感じる。
ちなみに、ここから車で10分ほどの場所には、田縣神社というところがある。
奇祭で有名で、こちらは巨大な男根を御輿に担ぎ、神社に奉納する。
こちらもすぐの犬山にも、大縣神社というところがあり、ここは女性器をイメージさせる「姫石」が祀られている。
このあたりの場所は、古来より性に対して開けっぴろげな土地柄なのかもしれない。
ほほえましい限りである。
くれぐれも書くが、至極真っ当な信仰として祀られている。
●間々観音
  愛知県小牧市間々本町152
  名鉄小牧線・小牧から名鉄バス・間々乳観音前下車徒歩4分
  電話0568-73-6173

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