最近、「障害者アート」という言葉をよく聞くようになりました。ツイッターで情報を知り、近鉄・奈良駅から歩いてすぐにある「奈良県障害者芸術祭」に足を運んでみました。
平日ということで人はまばら、しかし、是非訪れてほしい展示であったぞよ。最初の展示は、障害者が制作した造形アートだったが、これはう~ん、アートしすぎて、企画者の作為が見えすぎてあまり心動かされなかった。続いて、絵画でした。山下清チックなもの。曼荼羅みたいなもの。ほんと、アートでした。すばらしいの一言。ん、嫌みみたいに聞こえる?そうか、だが本心なのだから仕方あるまい。基本はほめているんです。ただ、最後の展示にはビビッた。まずもって、暗室でした。むむ、これは前衛芸術なのか?そこは不思議な空間でした。土器が置かれていたり、天平衣装が置かれていたり、係の方は「触ってください」という。はは~ん、わかってきた。これは視覚障害者の感覚を実感してみようということだ。「だから、少し暗くしてるんですよ。見える人はそのものを直接見て、それで判断してしまうでしょ」そのような配慮とは知らず、奥深い意図を感じる。そして、目当てのものは無造作に置かれていた。
なんだか、わかるだろうか?
仏頭なのである。国宝の山田寺仏頭。
こんなところにあるのだから、レプリカです。
国宝は触れませんが、この仏頭にはペタペタ触れます。
感動に舞い上がっていたが、ふと作品の意図に立ち返った。
視覚障害者の人は、触れないと〝理解〟できないんだもんなぁ。
触れることって、健常者が考えている以上に大事なことなんだろうなぁ。
今さらながらに考えた。
でも、改めて触れると、丸くなったプラスチックの塊で、それが仏像の一部だったなどという発想は湧かない。ただ、それがわかったからって、どうってことないだろ。
この企画はそんなことまで思考を飛躍させてくれる。
暗闇の中で、極めて仏教的なものを教えてくれるものであった。
是非行くべし。
ただ、11日は9―18時だが、最終日の12日は16時まで。
絶対おもろいぞ!
あと、癒やされたい方のためのおまけで。
ではの!