実ににぎやかな境内だった。
そりゃ縁日やもん。そりゃそうよ。
毎月18日の葛井寺の縁日に足を伸ばして行ってみた。
そりゃ縁日やもん。そりゃそうよ。
毎月18日の葛井寺の縁日に足を伸ばして行ってみた。
ここを訪れる人の目当ては、1043本のお手手を持つ国宝・千手観音座像であろう。今の小生はそこまでご開帳仏に興味はないが、ご多分にもれず同じ目的となった。
なにせ、藤井寺というところは、関西人にとって名前は知れどもなかなか行きにくい場所。しかも18日が、ド平日にあることも多い。だから、かれこれ10年以上も前から、この仏像に手を合わそうと思っていたが、果たせずじまい。ようやく暇と気力と財力が三位一体で、足が向いたのである。
仏像はうわさに違わず、すばらしかった。140センチの座像に、1043本のお手手がある。これが実に壮観。日本最多というが、よく作ったわ。厨子も立派なので、小さい割には迫力を感じさせる。数字以上に大きく思える。近くに住んでいたら、縁日ごとに行きたい。それほどに、いい仏様だ。
だが、このお寺の特徴は境内にある。
年齢層は高めだが、それなりに人が集まっている。
京都などの寺銀座では、当然であろうが、都心から少し離れたところで、
これだけ寺に人が集まるのは驚きだ。なぜか?
年齢層は高めだが、それなりに人が集まっている。
京都などの寺銀座では、当然であろうが、都心から少し離れたところで、
これだけ寺に人が集まるのは驚きだ。なぜか?
いろいろやっているからだ。
ハチミツなどを売るオシャレなブースが並ぶ。出店ですな。
若向けだけではない。年配の人向けに、ズロースやパッチを掲げる店もある。
地元民とおぼしきおばちゃんSが、楽しそうに井戸端会議だ。
そして、本堂の近くでなにやら雅な調べが聞こえてくる。
阿弥陀二十五菩薩堂なる建物があり、そこからのようだ。
のぞけば、舞台では妙齢の着物姿のご夫人が、日舞をされている。
へぇ~。お披露目の場所になっているのか。こりゃいい。
ハチミツなどを売るオシャレなブースが並ぶ。出店ですな。
若向けだけではない。年配の人向けに、ズロースやパッチを掲げる店もある。
地元民とおぼしきおばちゃんSが、楽しそうに井戸端会議だ。
そして、本堂の近くでなにやら雅な調べが聞こえてくる。
阿弥陀二十五菩薩堂なる建物があり、そこからのようだ。
のぞけば、舞台では妙齢の着物姿のご夫人が、日舞をされている。
へぇ~。お披露目の場所になっているのか。こりゃいい。
さらに、門の近くでは、絵解きをされていた。
絵解きとは、鬼が出てくる地獄図を掲げて、その説明を名調子でやる。
絵解きとは、鬼が出てくる地獄図を掲げて、その説明を名調子でやる。
「両婦地獄は、二股かけた男がいくところ、だから、気を付けなよ、ご主人さん」
これをテンポよくやるわけで、物珍しそうに、数人がおじさんを囲んでいた。
せっかくなんで、小生も…。
だが、本題は別だったようで、「こっちも聞いていってや」と人なつっこいトークにつられて、今度は懐かしの紙芝居の前しばらくたたずんだ。
なんでも、おじさんが言うに、この原点は今もう廃れてしまった「のぞきからくり」というものだそうだ。
「のぞきからくり」というのは、写真で見るとこういうもの。
せっかくなんで、小生も…。
だが、本題は別だったようで、「こっちも聞いていってや」と人なつっこいトークにつられて、今度は懐かしの紙芝居の前しばらくたたずんだ。
なんでも、おじさんが言うに、この原点は今もう廃れてしまった「のぞきからくり」というものだそうだ。
「のぞきからくり」というのは、写真で見るとこういうもの。
こどもが、のぞき穴からのぞいておる。
弁士が威勢よく、ストーリーを進め、のぞき穴の中ではからくり絵がかわっていく。
弁士が威勢よく、ストーリーを進め、のぞき穴の中ではからくり絵がかわっていく。
これが昔はやったらしい。小生は、紙芝居まではしっているが、こんな大仕掛けの移動式舞台装置は見たことがない。
のぞっくてとこがミソなんやろうね。
こどものころ、祭りであった蛇女とかの見世物小屋も、入ったことはないが、妙にそそられるたもんな。
のぞっくてとこがミソなんやろうね。
こどものころ、祭りであった蛇女とかの見世物小屋も、入ったことはないが、妙にそそられるたもんな。
おじさんは、ハリセンをバンバンたたいて、紙芝居でちょっぴりかわいい地獄を歌うように説明していく。いまいち、「のぞきからくり」との関連性はわからなかったが、みなぎる本気度にうたれた!
こうなってくると、「のぞきからくり」とやらを見たくなってきた。
だが、これがやっかい。全国でも現存する「のぞきからくり」の装置が数体しかないのだそうだ。一番、精力的に実演しているのは、新潟市のある地域だとか。
そら、遠すぎるわ。
だが、これがやっかい。全国でも現存する「のぞきからくり」の装置が数体しかないのだそうだ。一番、精力的に実演しているのは、新潟市のある地域だとか。
そら、遠すぎるわ。
やっとのことで、夏目雅子と渡瀬恒彦が共演している「時代屋の女房」という映画に、「のぞきからくり」とやらが出演しているというので、観てみましたわ。
映画自体は、ホロ苦ラブストーリー。こっちの説明ははしょります。1つだけ言うと、夏目雅子がいろあせず、かわいかった。
映画自体は、ホロ苦ラブストーリー。こっちの説明ははしょります。1つだけ言うと、夏目雅子がいろあせず、かわいかった。
そら置いといて、東北の盛岡の旅館で、2人が「のぞきからくり」を楽しんでいるところが登場するのです。いいシーンです。でも、よく監督は、これを舞台装置に使おうと考えたな。それほど、昔の人にとっては、身近なものだったのかな。当然のこと、中身は映らないので、なぞは深まるばかり。これはいよいよ「のぞきからくり」の小穴をのぞきたくなってきた!
てな具合に、深みにはまっていくのよ。この葛井寺の縁日は。
昔ながらの商店街もいい。
帽子とか、花とかを売ってるけど、悲壮感なくやっている。
イオンなんてくたばっちまえ、って感じがいいわ。
うれしくなって、通りで聞いた店に入り、お好み焼と焼きそばを注文した。
これがなかなかのクオリティーで、おかわりしたいぐらい。
やっぱ、お好み焼は、大阪ローカルや。
うまいとかいうより、臓腑が覚えとる懐かしい味なんやわ。
食べログなんぞ、信用せんぞ!
帽子とか、花とかを売ってるけど、悲壮感なくやっている。
イオンなんてくたばっちまえ、って感じがいいわ。
うれしくなって、通りで聞いた店に入り、お好み焼と焼きそばを注文した。
これがなかなかのクオリティーで、おかわりしたいぐらい。
やっぱ、お好み焼は、大阪ローカルや。
うまいとかいうより、臓腑が覚えとる懐かしい味なんやわ。
食べログなんぞ、信用せんぞ!
葛井寺は、昭和というか、子どもの頃に戻ったようなほんわかを与えてくれるいい寺であった。
でも、これって平成の御仁はいかに感ずるや。
でも、これって平成の御仁はいかに感ずるや。
葛井寺
大阪府藤井寺市藤井寺1-16-21
近鉄南大阪線・藤井寺から徒歩7分
☎072-938-0005
大阪府藤井寺市藤井寺1-16-21
近鉄南大阪線・藤井寺から徒歩7分
☎072-938-0005