元興寺⑩~「仏足石」へは触るべし!~

わしがおる収蔵庫の前の庭に、平たい石版があるんじゃ。よくみなされ!細い線で足が書かれているのが、わかるかのう。これを仏足石という。偶像崇拝を禁じた仏陀を偲び、古代インドで足形として信仰の対象としたものなのじゃ。足形だけでなく、魚や法輪も描かれておるぞ。
 
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住職が、「これはスリランカのものを写してきたものです。だから昔のかたちを忠実に再現しています」と説明された。なるほど、シンプルな描き方はそのせいなのかのう。スリランカでは仏足石に傘がかけられているものもあるそうだが、ここのものはデザイン化されて、石の中に描かれておる。そういう違いに気付くと楽しいぞ。
 
「仏足石は、そこにお釈迦様がいると思って拝むんです。触ってもらってもかまわないんです。スリランカではみんなベタベタさわっていますよ」と住職に教えてもらったぞ。皆さんも今後はべたべた触るようにするのじゃ。
 
さすがに圧倒的な古寺だけあって、発見の連続よのう。五重塔の仏舎利といい、この仏足石といい、元興寺は古代日本だけでなく、上座部仏教が伝来したスリランカの香りも伝えているんじゃのう。

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