で、大威徳明王に関して、こちらでも調べました。あの、牛子にのってるユニークな足がたくさんある明王が、文殊菩薩と関係あるとは考えたことなかったので、意表を突かれて、喜んで調べたんですな。で、日本の真言密教の理解では、五智・五如来に配する形で五大明王を配するため、大威徳は「西の阿弥陀如来の教令形」という解釈が多数。
でも、梵名はヤマーンタカ、と書いてるのもまた多く、となると、チベット密教でのあのヤマーンタカ、文殊の憤怒形ですわ。で、ずっとGoogleってたら、やはり日本のサイトにも、「文殊の化身という説もある」という程度に付記されているものがありました。
ってことは、より「整理された体系、すっきり系」の日本センスでインド中期密教を受容した我が国では、五如来の流れでヤマーンタカは阿弥陀さんの化身、という通説。が、インド後期密教をもろに受容して、かつ、「未整理、混沌、ダイナミック体系」の色が濃く、シリーズよりも「一仏」でのとんがった信仰が目立つかの国では、そのままヤマーンタカは文殊ということで、「五体系」内に収まらなくてもOK、ってな解釈やったのでしょうかね。
というのが、大威徳明王に関して調査をしたあっしの勝手なinterpretationでございますが、どうでっしゃろ。
で、教えて頂いた主な大威徳明王の名刹に、調べてたら出てきた有名どころを加えると、このように:
○東寺(五大明王)坐像 木造(草槙)彩色
●大覚寺(五大明王)木造
●唐招提寺 坐像 木造彩色
●大覚寺 木造彩色 藤原時代
○牛滝山大威徳寺(河内長野市)
○真木大堂(伝乗寺)(大分県…かなり著名なよう)
で、ご真言も参考に:
オン・シュチリ・キャラロハ・ウンケン・ソワカ