第16回 聖天句会報
平成十七年八月二十日
会場:福島聖天了徳院
指導:朝妻 力
主宰
★ 主宰特選 ☆ 入選(添削含む) ◎ 互選特選 ○ 互選入選
主宰詠
○○◎燈火親し書架に探せる昆虫記
○○藤の実の揺れて聖天夕づける
○○陰選りて寺へ急げる残暑かな
○○◎★ タクシーに乗りて息つく残暑かな 中村 智子
◎○★ 更けてなほ残暑の月の赤きまま 小川 尚子
○★ 亡き父の癖に笑ひて墓参り 中村 智子
○★ コンビニの燈火親しむ寡黙な目 長谷川 稔
◎☆ 丈低き地蔵に小さき盆提灯 伊藤 とら
○☆ 燈火親し早めに済ます厨事 小川 尚子
○☆ 古の人が羨むかき氷 大西 弘之
○☆ ネクタイをはづして残暑ふりはらふ 大藪 暁雪
△ 水浴びの鳩が残暑の水飛ばす 中村 智子
△ 揺るるたび藤の実朝日まとひけり 伊藤 とら
△ 行く人の背の濡れてゐる残暑かな 中村 智子
△ 藤の実の揺れて毬蹴る子らの声 小川 尚子
△ いっせいに藤の実揺るる夕の風 長谷川 稔
△ 燈火親しはらから揃ふ里の居間 中村 智子
△ 燈火親し伏せておきたる本開く 粂 信一郎
△ 草木の生気失ふ残暑かな 大西 弘之
△ 絵に描きて子ら藤の実を知らざりき 大藪 暁雪
△ 残暑から始まる今日の厨ごと 粂 信一郎
△ 燈火親し絵の具溶きゐる兄弟 大藪 暁雪
以上
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