第12回 聖天句会報
平成十七年四月十六日
会場:福島聖天了徳院
指導:朝妻 力
主宰
★ 主宰特選 ☆ 入選(添削含む) ◎ 互選特選 ○ 互選入選
○○○○○○★ 日当たりし野点の席に飛花落花 中川 晴美
○◎◎★ 古の春もかくやと香聞きぬ 伊藤 とら
○◎★ こきみよく抹茶吸ひきる花の陰 和田きよし
○◎★ 伽羅といふ香聞き分けて春の闌く 中川 晴美
○◎★ 賑やかに野点の仕度藤芽吹く 伊藤 とら
○○★ 待ちわびし句集届くや桜餅 岩田 一行
○○★ 電車待つ小説に降る桜蘂 谷野由紀子
○○★ 祈る手に桜散りつぐ稲荷堂 中川 晴美
○★ 聖天に鳥声ゆたか藤芽吹く 谷野由紀子
○★ 香を聞きつつ春闌の集ひかな 伊藤 とら
★ 晩春の部屋に香聞く集ひかな 小川ひさこ
★ 伽羅の香を聞く晩春の昼下り 和田きよし
★ 晩春のひと日を藤の棚の下 伊藤 とら
○○○◎☆ 行く春の聞香に添ふ細き指 中川 晴美
○○○☆ 伽羅の香を手に持ち帰る春の道 早川 紋子
○○☆ 青空に染まずさくらの白さかな 早川 紋子
○○☆ 行く春の院に読経の響きけり 中川 晴美
○○☆ 花筏鯉悠然と泳ぎたり 小川ひさこ
○○☆ 味噌にほふ分葱のぬたや浪速の夜 和田きよし
○☆ 花桃や池に映えたる龍の像 小川ひさこ
○☆ たけのこの産毛優しや店の棚 長谷川 稔
○☆ 花も人も再会約し散りにけり 伊藤 とら
☆ 白木蓮その灯は誰のため 宇佐美なほ子
☆ 晩春の八坂の塔に上りけり 谷野由紀子
☆ 晩春や花びら乗せてまはる池 早川 紋子
○○○○○◎◎△ 幼子の一歩確かに花万朶 乾 玲子
○○○△ 浮雲や父にたむけし花しょうぶ 乾 玲子
○○△ 酒蔵の壁黒ずみし暮の春 小川ひさこ
◎△ 満開の花ゆさゆさと揺れにけり 岩田 一行
◎△ 仏生会一と日信者として過ごす 粂 信一郎
○△ 咲き満ちし桜が隠す武者の太刀 長谷川 稔
○△ 僧と言へどもこの時期は花粉症 両角たて夫
○△ 春色の靴の売り場へ手を引かる 長谷川 稔
○△ 芸もなき我でありしが花化粧 モラ坊円瓢
△ 車繰りつつしばらくを花見かな 粂 信一郎
△ 筍の肌山城の土つけて 宇佐美なほ子
△ 夜桜の浮き立つは死の色かとも モラ坊円瓢
△ 踏むまひぞとて芽吹きたる庭歩く 早川 紋子
△ 彼の人のため息のごと桜散る 宇佐美なほ子
△ 春過ぐるてふは加齢と同義にて 粂 信一郎
△ 米寿なるたらちねの背に花吹雪 乾 玲子
△ 青梅の枝にびしりと雨雫