#12.「聖天句会
No.7 〜1周年は『茶と闘う』の巻 04年11月の聖天カフェ
何と、今回で聖天カフェも『1周年』を迎えることになりました!思えば早いようで短かった12ヶ月。頻繁に土日もつぶれる仕事を行いながら、メンバー皆で協力して毎月1つのお寺に即した出し物を考え、それを維持することは中々に大変なものでした。でも、MONKフォーラムのメンバー自らが楽しみながら行っているからでしょう、周囲の人たちの暖かい応援を受けることができ、今では「聖天句会」という定番イベントを持つに至りました。
これもひとえに仏縁を感じてお集まり頂いている皆様のおかげ、そして何よりも、自分たちの庭で妙なことをやる若者たちを常に暖かい眼で見守り、多忙な中さまざまに骨を折りサポートしてくれている了徳院住職の高岡義全師および珠子お母さんのおかげです。今後とも、自らの思うやり方で現代仏教をさまざまに、全国的に盛り上げていこうと企む我々MONKフォーラムの活動をよろしゅうお願いします。南無大師遍照金剛。
さて、第12回目の聖天カフェ(11月20日)は、「聖天句会」の第6回目(通算第7回目)です。今回の目玉である「変わりもの(イベント)」は「闘茶」でした。茶と闘う?どうやって?!いやいや、要するに「聞き酒」と同じ要領で、飲んだ茶の銘柄を当てるというもの。それを現代風にアレンジしてみました。
本来ならば「聞き茶」と呼んでもよさそうなもんですが、この銘柄当てのギャンブル性が室町時代に大いに流行り、ホンモノの賭け事になってしまったため「闘鶏」などのような勝負性のニュアンスを含んで「闘茶」なる呼称になったのでしょうかね。人間関係が破綻するほどキツイ賭け事になってたらしく、ついには幕府が禁止令まで出したそうです。これを芸術性をもった「茶道」にまで高めたのが千利休とも言われています。今でも茶道の余興に行う派もあるそうですよ。皆さんたいへん楽しんでおられました。
モラ坊円瓢/平原憲道
準備に追われる裏方MONKフォーラム連@了徳院寺務所内
本格的な闘茶のやり方は分からないため、我らで勝手にアレンジして行いました。
しかも紅茶を使うという…。何でもありですな。
皆さん神妙な面持ちでお茶と闘われているご様子。
「紅茶なんてすぐ分かるわ!」と思いますでしょう?ところがどっこい、これが中々判別できないのです。
ピュアセイロン、ジャスミン、ピュアダージリン、ボーティー…など5種類の紅茶の銘柄を当ててもらいました。
闘茶が済んだら境内で句を捻ります。
学校で歴史を教えてる田野さんですが、いつも気合入ってますなぁ。めきめき上達されているご様子で。
今度は伝統的な炉を切っての茶道でございます。
お寺の寺務所の2階はきちんとした茶室が設けられており、そこで茶をいただくことができます。
投句が完了すれば皆さん三々五々2回に上がりお茶を頂きます。
お茶を点ててくれるのは、住職婦人です。
我々は親しみを込めて「お母さん」と呼んでおります。息子さんで副住職の義光さんとも我々は仲良しですね。今は東寺に修行に行ってますけど。
これは選句をしている様子。各々が選んだ互いの句を披露して、よい句を「投票」で選んでいきます。
みなさん真剣に互いの句を聞きながら、よいところを吸収しようとされているようですな。
左の写真の左端の背広の紳士が朝妻力さん。俳句同人「雲の峰」の主宰であり俳句の師匠です。
選句が終了して朝妻氏による講評が終わると、いつもどおり、了徳院のご住職による読経にてご本尊の聖天さんに献句します。
右の写真は見やすいように修正して明度を上げていますが、実際はぼんぼりとろうそくだけの薄暗い聖なる雰囲気の中で献句は行われます。
かなり雰囲気出てます。背筋が伸びまっせ。
これも楽しみのひとつでしょうね。恒例の「聖天句会・飲み会」です。
お寺から程近い居酒屋が、これまた仏縁でしょうか、朝妻氏のサラリーマン時代の後輩が脱サラして営んでおられる場所なんです。
毎回「不良中年」や「不良青年」たちで押しかけて、大変お世話になっております。
第7回
聖天句会報
平成十六年十一月二十日
会場:福島聖天了徳院
指導:朝妻 力
■ 大聖歓喜天献納句 ★ 主宰特選 ☆
入選
◎ 互選特選 ○ 互選入選 炉開きや無作法なれど膝揃へ
■○○◎◎◎★枝打ちて子安地蔵に日を手向く
○○○○◎★咳一つしてうらなひ師饒舌に
○○○○◎★神留守の聞茶に燭の揺れやさし
■ ○○○○★足裏まで舐めてとら猫日向ぼこ
■ ○◎◎★白鳥のごと新妻の匂やかに
○○○○○◎☆蔦すがる江戸の長者の寄進石
○○○◎◎☆口切の茶事に湯相の音のゆかし
■○○○○○☆秋風にやり残せしを数へけり
○○○○☆山茶花のはや散り敷ける一葉忌
○○○○☆一病を忘れてをりぬ山茶花に
○○○☆流れ行く落葉の上に夕日差し
○○○☆風のなき午後の落葉やゆつくりと
○○○☆霜月や佛前に茶を飲み競べ
■ ○○☆新世紀小春の空を雲動く
○○☆弁天の閼伽桶小さし冬うらら
○○☆家込みに浪花の空や木守柿
○○☆花八手遠く近くに子らの声
■ ○○☆ほつほつと穴のあきたる柿落葉
○○☆聖天の堂の小春の聞茶かな
○○☆日に近き方より紅葉してゆきぬ
○○☆聖天の庭のしづけし実千両
◎☆樟紅葉散らし土鳩の舞ひ降りぬ
■ ○☆冬うららサクマドロツプひとつ舐め
○☆小春日や子ら鐘楼にゲームなど
■ ○☆嫁の顔香に囲まれて暖かし
■ ○☆霜月の日差しを潜り炉を囲む
○☆紅茶の名あてる遊びや神無月
○☆枝打ちの済みて口笛透き通る
○☆冬紅葉亀池の端をよぢのぼる
○☆藤の葉のはらりはらりと八一の忌
☆鵯の声聖天の杜つんざきて
☆雨止んで小春の空にはぐれ雲
■ ☆枯葉落つ音もなき夜に独り臥し
|
主宰詠
中川 晴美
井澤喜代美
中川 晴美
小川 尚子
和田きよし
和田きよし
中川 晴美
大西 弘之
和田きよし
伊藤 とら
小川 尚子
伊藤 とら
井澤喜代美
モラ坊円瓢
中川 晴美
和田きよし
小川 尚子
井澤喜代美
小川 尚子
伊藤 とら
井澤喜代美
中川 晴美
伊藤 とら
田野のぼる
長谷川 稔
高岡 珠子
伊藤 とら
小川 尚子
田野のぼる
中川 晴美
田野のぼる
モラ坊円瓢
宇佐美直子
|
小春日和の中参拝の方もいつもより多く境内は今まさに紅葉且つ散るという風情でした。御堂では5種類の紅茶の名を利き当てるという、MONKさんならではのアイデアの聞茶会。これが中々難しく正解3が最高点で正解0も2、3人。結構の盛り上がりでした。
例により炉開きの御点前も頂戴し感謝です。次回の催しも楽しみにしております。
次回は十二月十八日(土)午後二時。兼題「師走」「山茶花」その他当日吟行句です。皆さまのご参加をよろしくお願いいたします。 中川 |
|