プロローグ

From:   モラ坊空石
To:    モラ坊円瓢
Subject: リフレシュじゃ! 
Date: Wed, 16 Aug 2000 00:31:08

会いましょう。わしもお会いしたく候。
先日、久しぶりに実家に帰り、 念願の飛鳥大仏見てきたわ。写真もオーケイ。「フラッシュたかんと写りませんで。」 とえらいサービス。 

でも、友よ。 
仏は元来拝するためのものではなかとか? 
人間おごったらあかんぜよ。 

飛鳥時代より、火災にもたえて、異形をもって 我々の前におわします仏様。 その時の流れを厳然と見続けてきたことに対する 畏怖の念をもって対せねばならぬのではないか? その冷ややかな眼差しは私には恐ろしい。心を通わすべき対象物を「もの」として扱ってしまう現代的感覚…。

友よ、我と山村の野仏を拝しに行こうではないか。我々が失いつつある感覚を再確認するために。

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空石による紀行文

我々の地獄巡りは、赤子の歩みで進み出したが、書き手が遅々として進まない。

今、ボストンというロックバンドの『アマンダ』という曲を聴いている。繊細なメロディライン、哀愁漂う名曲だ。このバンドとて、この曲のアルバムを出すのに、8年かかっている。執筆も同じ。それなりの時間と作法が必要であろう。我が愛すべきアーティスト・運慶はじめとする仏師たちも仏を彫る前に、材料の木に経を唱え、魂を注入して作業にかかった。

ここは、いにしえの道に従おう。我は数珠をつけ、黙して禅を組んだ。CDは『チベタン・ブッディズム~チベット仏教音楽の神髄』。世俗の垢を葬り去ってから、筆を執ることにしよう。脳味噌が昇天するほどに、大きく息を吸い込むと、冥界からの呻きのような重低音が五臓六腑に染みわたる。忘却の彼方にあった、1月前の地獄が眼前によみがえってくる。

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