[email protected](福島県富岡町)(2016年8月)

早川住職は、とにかく声がでかい。
そして、いい意味で話が長い。
それだけ情熱的で、訴えることが山ほどあるのだ。

 

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早川住職は、福島県双葉郡富岡町の浄林寺の切り盛りをされている。
富岡町は、2016年8月現在で福島第1原子力発電所による放射能汚染で、
避難地区になっており、宿泊することができないエリアだ。

 

ただ、住職はいわき市から片道1時間半の時間をかけて、
誰も居ない地区に通い、雑草抜きなどお寺の管理をされている。
年に1度、檀家が集まる施餓鬼法要のために。
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「わたしの寺は、不幸中の幸いで高いところにあるから、
放射能の影響が低地より少ないの。でも、放射能値が高いところに住む人は、
自宅には戻れない。ただ、『ご先祖様のために、墓参りをしたい』という人もいるんです。
そんな方のために、わたしは意地を張っていかないといけないんです」

 

人のいい笑顔とは裏腹に、信念のこもった言葉が続く。
1日約7時間、お寺にとどまり、車で自宅に戻る。
肌身離さない線量計の値は、1日積算で1シーベルトになるという。

 

「その値は、低くはないものです。体に実際どう影響するかは、わからないんですけど」

 

離ればなれになった住民をたばねるリーダーとして、東電らと賠償交渉の先頭に立つこともある。
お寺のこと以上に、神経をすり減らす仕事だと思う。
だが、弱音を吐くことは一度もない。

 

「わたしは、震災以前から、サラリーマンとの二足のわらじで、住職をやっていた。
そのときは会社の都合で、片道3時間のところから、お寺に通っていた。
あのときは、自分の時間なんてなかったです。だから、震災になったから厳しくなったとかは
全く思わんのです」

 

「お寺はバラバラになったコミュニティーを唯一結びつける場所なんです。
だから、わたしは施餓鬼法要をなんとか続けていきたいんです」

 

2016年8月6日の施餓鬼法要には、100人以上の檀家さんが集まり、思い出話に花を咲かせていた。

 

被災地の人間すべてを弱者という一方的な決めつけをしてはいけない。
底抜けの元気をわれわれに与えてくれる住職である。

 

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