友達耽溺(2006年4月)

ただいま、溝の口への引越準備のためにダンボールに書籍などを積み込んでいるのだが、現れ出でる懐かしい資料を腰を下ろして読んでしまいさっぱり捗らぬ。今晩中には終わらせないと、私の部屋には床が見えない場所がたくさんある。

アメリカに送ってもらったのに、ついぞ目を通していなかった、「最後の文士」とも呼ばれた里見惇の随筆集(むろん岩波文庫・緑帯)をぱらぱら読むと面白く、1時間も読んでしまう。中でも「青春回顧」と題された章が大変面白く、志賀直哉や武者小路実篤ら白樺派同人の交遊録が楽しく読めた。

里見が使う「友達耽溺」と「化学反応」という語が妙に納得されて面白かった。話ながら電車の駅や相手の家まで来るが、そこで終わらずまた元来た道を帰っていき、いつまでも振り子のようにそれを繰り返す…という、濃い友達関係が持つ粘着的な力をそう呼ぶのだそうだ。これには、俺と空石がよく高校時代、特に3年のときに十三駅と高校との間で規則正しくこれを行ったいたことを想起し、一人で笑っていた。

これからもよい親交および信仰を期待するぜ、友よ。合掌。

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