お前に見せたいものがある!(2017年1月・奈良県五條市・陀々堂念佛寺)

お前に見せたいものがある!
 
先輩の車で、奈良県でも奈良市内からかなり南に降った五條に拉致された。
 
この先輩、見かけによらず、寺のみならず全国の珍スポットマニアで、それを制覇することをある種の〝行〟としており、今弘法を自認されている。
 
難波を昼に出発したにもかかわらず、日暮れ前にもう3つも寺をはしごしている。それについてはまたの機会に執筆いたすとしよう。
 
今宵の見ものは、夜の9時からということで、近くの風呂で冷えた体を温めた。
今弘法は勝手知ったるもので、ノロノロと駐車場へと誘導する地元らしき老人の招きをスルーして、目的地近くまで進入して路駐を決め込んだ。
確かに、あんなに遠くの駐車場から、この極寒の夜道を歩くのはご免被りたい。
 
で、見せたいものとは何だったのか?
 
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会わせたい人が鬼だったとは…。
迫力満点の動画はこちら
毎年1月14日に五條市の陀々堂念佛寺で行われる鬼走りは、冬の風物詩の鬼追い祭りの中では、一際有名という。
なんせ、500年前からの伝統行事で、
 
田舎という土地柄昔ながらの姿を今にとどめる。
舞台装置がいい。暗くてはっきりとはわからないが、お堂は茅葺。闇夜に甲高い鉦の音が響き渡る。目の前には、大きな松明を持った3人(匹?)の鬼が仁王立ち。僧侶の読経が、途切れず低く流れていく。中世の農村に迷い込んだような錯覚。
 
今弘法が絶賛したわけもわかる。
 
ただ、感傷に浸る時間は短い。なぜなら、小1時間もすれば、何の前触れもなく、祭りは突如終りを告げる。そして、村人は、そそくさと家路につく。余韻もへったくれもない。
 
ここまでなら、ただの祭り日記だが、今弘法は違った。
後片付けの間に、火で暖を取りつつ、火の消えたブツを凝視した。
 
「重いんやろか?」
 
「そら重いでしょ。鬼も重そうで…」と言い終わらないうちに、担ぎ始めた。
 
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わかりにくいであろうが、火の消えた松明である。
重さは20キロ以上はあろうか。私などは腰が抜けそうになった。
 
さらに、今弘法はひるまない。
 
「わしはわかってるんや」
 
ようやく今弘法が、こんな寒い中、暖を取っていたわけがわかった。
鬼を追っていたのだ。
 
祭りを終えた鬼たちは、僧侶が待つ近くのお堂に向かう。そこを待ち伏せすれば、
50センチはあろうかというユーモラスな鬼の面を身近で拝めるというわけだ。
 
おそるべき執念…
案の定、鬼の面を手にした若者衆が夜の小道から歩いてきた。
 
「すんまへん!」
 
さすがは2度目とあって、鬼の扱い? には慣れている。
ただ、お面を外した彼らはどこにでもいる若者に戻っていた。
 
「写真だけでも撮らしてください!」
 
必死に懇願する40歳のおっさんに戸惑いながら、ハイチーズ!
 
1つ残念だったのは、わたしのカメラのフラッシュが暗闇で光らなかったことだった。
 
陀々堂念佛寺
 奈良県五條市大津町177番地
 JR和歌山線・大和二見からタクシーで10分
 ☎0747-22-4001(五條市企業観光戦略課)
 
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