谷町筋はディープな香り(2015年12月・大阪市・北向き不動など)

瀧之坊と大阪で待ち合わせて寺巡りをした。
大阪駅から南に下った谷町九丁目から、四天王寺のあたりは、
以外に知れていないが、寺密集エリア。聖徳太子創建の四天王寺をはじめ、約200の寺があると言われている。
 
今回は、空石主導でなく、瀧之坊に先達をつとめてもらった。
名前のごとく滝行も行う仏友は、さすがという寺選びをしてくれた。
 
まずは、北向き不動こと報恩院。
なんでも、こちらには全国でも珍しい阿閦(あしゅく)如来像がおられるという。「当然、大阪では唯一やで」さすが、グッドチョイス。こんな渋い寺を選んでくれるとは。
如来について説明すると、
この仏は物事に動じない強い心を授けるとされています。
特徴は、右手甲を前方に向け、指先が接地する降魔(ごうま)印を結んでいます。
ワクワクしつつ、山門をくぐると、待ち受けるのは、石でつくられた不動さん。
 
 
pic kitamuki1
 
北向き不動です。
名前の通り、北を向いているわけですが、寺守さんに聞くと深い意味もあるそうです。
 
「北向きのお不動さんは、霊力が強いといいます。それだけに、拝み方が難しい。だから、北向きは難しいんです。たまに、霊能関係の方がきはりますが、お不動さんの前の護摩を焚くあたりは、霊気が強いといいはります」
 
流ちょうな大阪弁が心地よい。
 
「修験の寺やな」瀧之坊はすぐに見破りました。
真言宗醍醐派です。これは、当山派という修験道の大本山である京都・醍醐寺につながる系譜です。先の寺守の方も言います。
 
「廃仏毀釈の時は、あの醍醐寺もいろいろあって、ここの住職さんがいろいろ尽力されたと聞いてます」
 
確かに、醍醐寺は新興宗教の真如苑もテコ入れしていると聞く。
霊験新たな修験者が信者を集め、本山を支えたという構図かもしれない。阿閦さんはというと、本堂横の建物におられるという。
この日は、イベントで開けていないのだという。だが…。
 
「どこから来はったんですか? 名古屋? それなら、開けなあきませんな。ねばり勝ちですわ」
 
そういう意図はなかたのだが、善意に甘え、お堂で阿?さんを拝ませていただいた。
実は、コンパクトサイズなのと、距離があり、あまりよく分からなかった。
でも、その好意はありがたく受け取り、深々と頭を下げた。
そして、最後に「どこかこの当たりでいいお寺は?」と切り出した。
 
「う~ん」と首をひねり、「鎌八幡はどうでっしゃろ?」釜揚げ? いや鎌八幡。いかなる寺であろう?
しばらく歩いて行くと、下校中の児童のそばに、おどろおどろしい看板が見えた。
 
pic kitamuki2
 
鎌が描かれている。「さすがは、修験の寺や。オレらが普通のとこを案内しても満足しないと踏んで、霊力が強めのところを選んでくれたんやな」と瀧之坊。
 
おぬしの修験オーラが、そうさせたとわしは思うが…。
境内からは、ただならぬオーラが漂っている。
写真撮影は禁止。
当たり前である。
古木には、何本もの鎌が突き刺さっている。
つまり、縁切り寺ということだ。
「願いを聞いてもらおう」とか安易なものでなく、
「積年の悪縁を絶ちきりたもう!」と、
地の底からとぐろを巻いて立ち上がる怨念が立ちこめている。
正直、当方は断ち切りたい縁は、今のところないのだが…。
ただ、これも早合点してはいけない。
なぜ、鎌を打ち込むようになったかというと、戦国武将の真田幸村が、ここで戦勝祈願に鎌を木に打ちつけたところ、大坂冬の陣に勝利した。そこから、この行為が広まったと言う。木に鎌を打ちつけるというのは、古来からの神事らしく、諏訪大社でもご神木に、鎌を打ち込むという儀式があるのだそだ。だから、これは古式ゆかしい祈願方法でもある。
 
お寺には、来年の大河ドラマ「真田丸」の旗がなびいておった。
願わくは、先の説明も訪問者のために、用意された方がよいのでは。
老婆心ながら、そう思うのであります。

報恩院
 大阪市中央区高津1-2-28
 地下鉄・谷町九丁目から徒歩約6分
 ☎06-6761-0543
 
鎌八幡
 大阪市天王寺区空清町4-2
  JR玉造から徒歩15分
 ☎06-6761-3691
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