遂に韓国に進出!?(東国大学校と道洗寺)(2010年5月)

うーむ、縁や運というのは、回るところでぐるぐる回ってる、というのが隠されたルールだと私は確信していますが、それは、かなりの部分が意識の持ち方で何とかなるとも考えています。真言密教的には「加持感応」と呼びますが。ある種の如来への働きかけで如来が【応】える、という感じでしょうか。結果、「なぜか運や縁に恵まれる人間」というのが発生します。

私が懇意にしてもらっている米国人のさる仏教研究所の所長から、彼が東大留学時代の恩師でもあった、中村元大老師の弟子の大御所仏教学者の「代理」にて、なぜか私・円瓢が韓国を訪れた訳です。目的は、仏教系私立総合大学の東国大学校にて行われた、韓国ソウルのインド大使館とインド本国の文化庁が主催したアジア仏教の催しにおいて、30分ほど公開レクチャーを行う、というものでした。私のテーマは、「最先端認知科学と仏教心理学との接点」。

で、この25分発表、5分質疑応答の結果ですが、学生も何故かたくさん見に来てくれていて、何より、他の14人のfellow scholars(インド人学者6名; 韓国人学者6名、タイ・中国(香港)・日本から1名ずつ)全員からとてもよい反応が返ってきたので、嬉しかったです。皆さん、hardcoreの仏教学者なので、逆に、scienceからのこのようなアプローチはとても興味深く、また、心強く感じるんでしょうな。何度も握手を求められて少し狼狽しましたが。いずれにせよ、何とかかの大仏教学者の名を汚さずに済んだとほっとしましたよ。

この大学、日本でも人気のある多くの韓国芸能人の母校としても著名(理由の一つは「芸能科」があること)ですが、創立と運営のバックグラウンドは、禅宗系の曹渓宗なので実は結構hardcoreですわ。キャンパスの中に、下のような立派なお寺が建っています。中には、禅の雰囲気に曼荼羅が壁にかかっていたりと、とても興味深い空間です。



楽しい出会いもたくさん用意されており、純粋に行ってよかったと思いました。長くなるから止めますが、今回の貴重な体験の1つは、「国家」について考えさせられたことですね。大使館が主催なので、とにかく背後に「国」が見え隠れするのですよ。やたらとどこに行ってもVIP扱いで、「粗相があっては国際問題!」みたいな真剣な空気がどっかに感じられる。

まずは仁川空港に到着したところから異常ですよ、出迎えが。降り口で、いきなりでっかい横の扉が開き(そんなの見たことなかった)、名前を呼ばれて鍵をじゃらじゃらしたおっちゃんに連れて行かれ、もう1人の香港からの客人(後述)と共に、どでかい車に拉致され高級ホテルへ直行です。そこから本当に面白い体験をさせてもらいました。

しかも、我々を世話してくれた連中は、韓国にいながら全員「diplomat」の資格持ちだったから、韓国の法律に基本的に縛られない訳ですよ!何じゃそりゃ!でも、我々学者はそんなことお構いなしに、ぺらぺらと楽しく喋ってる。あれは不思議な体験でしたなぁ。

本国インド政府の方からわざわざ来た、要するに中央政府の高官で、もらった名刺で言うと「外務省文化庁副長官」になるのか?な、2mぐらいのおっちゃんがおったんですが、いっつも黒塗りの高級車が我ら学者が乗っているマイクロバスの前を行くんですわ。で、韓国人の上品そうな運転手がいつもいてまして。誰を乗せてるねん?と思うたら、巨人おっちゃんでした。普通に我らと一緒に飯食ってましたが、さすが高官だけあって、ホテルも彼だけ16Fのスイートルーム。我々は12階の特別室でしたが。こういう処置も、国としては当たり前なのでしょうな。

大学図書館に保存されている、国宝の、韓国に仏教が渡来した最初期の経典も、特別に見させてもらいました。なんか、室内を一瞬、古代シルクロードの匂いが満ちたような気がしました。



あとは、旅の最初からご一緒させてもらった、浄因さんというファンキー香港禅僧と友達になったのが巨大な成果でしたねぇ。臨済の坊さんなので、とにかくplayfulnessに溢れているpracticalな坊さんで、いっつも冗談言い合っては笑ってました。ネットで調べたら香港大学の研究所の所長というエライサンなんですが、そんなのは一向に感じられん。講義も、たいてい昼からの部はぜーんぶ通して昼寝してましたわ(常人じゃない)。私のときは起きててくれたので、それだけで大成功やわ。あるときなど、でかいイビキをかきはじめて、後ろの席の学部生たちがくすくす笑い始めたので、さすがに小突いて起こしましたけどね。もっとも、2秒後にまた寝てた。

本人は、「いや、知ってる内容かどうかは最初の1分で分かるから、分からんかったら興味を持って起き続けるが、知ってたら寝る」とのこと。すごい効率的というか、なんというか。さすがは修行の進んだ臨済禅僧!空気なんて一切読みませんよ。気前よく、彼がLondon大(博士号はここ)で今も講義している仏教学のPPTをぽんぽんUSBに入れてくれたのはええけど、無関係なエロ動画や音楽ビデオなどが経典のファイルと混じっているのを大量に発見したし。もの凄い博識やけど、本当に中国の禅僧らしい、大らかな坊さんでしたわ。禅語で言うところの融通無碍ですね。欲望に汚されずに欲望と歩いてる。今後も繋がっておきたいと思わせられる収穫でした。



私を勧めた所長からは、「絶対上手く行くと分かってたから行かせた」、私に代理役を任せて下さった大御所からも、「私が行くよりずっと皆さんに益があったはず」と勿体無いメールが来ましたわ。つくづく仏縁に絡め取られてると感じます。私は果報者です。

最後の日はお寺にも行きました。三角山道洗寺。山の中に建っている、とても雰囲気のあるお寺で、熱心にお参りしている人たちの姿と重ねて、生駒の宝山寺(参照: 空石による紀行文)を思い出しました。







そんな楽しい体験をさせてもらいました。諸仏諸菩薩祖師方に感謝です。

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