半田の夜~日蓮さんと宗門系大学

宿は半田に取った。

なかなかよいビジネスホテルで、大晦日に家族連れが大挙する上質感が素敵だった。

 

そして、夜も仏教トークが続いた。当たり前過ぎることなのだがな、MONKの旅なのだから。

釣り師が揃って呑んでいるのに魚の話が一切出てこない図など想像できんだろう。

 

仏友は先日、所要にてかの日蓮宗総本山の身延山に行ってきたという。富士山西にある辺境の地である。

 

どうせネタ満載なのだろう。これを聞かない手はない。年の最後を締めくくるに相応しい晩餐の席で、仏友の語りが始まる。そこはもう、どこからが妄想でどこからが事実なのかがぐにゃりとする異質空間なのだが、おもろいものは、おもろい。我々3人は大爆笑しながら、年越しに向かう知多の夜を満喫した。食べ物も美味であった。

 

簡単にまとめると、こんな感じであったらしい。

 

週末だったらしいが、そんな山梨の超田舎というか日蓮宗の聖地である身延山に行ったのは、マニアックな学会に参加することが目的であったとのこと。そこにある身延山大学というところが会場だったそうで、これまたもう、日蓮宗の寺の子供しか行かんのではないかしらん、というミニマムな大学だったそう。「でもな、何かええ味出しとったで、あの異空間!」と円瓢は熱く語っていた。特に、ある意味、国内に物凄い人脈ができそうという点で。もちろん、「日蓮宗人脈」である。

 

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そこで円瓢が我らに問うには、「ガチで問うのやけど、そんな大企業や超有名な多国籍企業でもない限り、どんだけ『どの大学出てるか』なんかが効くと思う、将来的にその新人が会社で出世する際に?」

 

「ん?まぁ、偏差値Sランクとかやったら変わってくるのちゃうか?」

「いや、いわゆる『受験勉強における学力』が実際の思考能力や仕事を遂行する能力に大した予測効果を持たないことは知ってるやろう?」

「あぁ、まぁな…。確かに、『まじでできる奴』を見つける確率が結果としてSランクに多いかも知れんが、Sランクやからといってできる奴に行きつく可能性は微々たるもんやわなぁ。」

「意外と効いてくるのが、『人柄』とか『悪いことせん』とか『確かな紹介』とかやろ?」

「おぉ、岩波書店が(より合理的な文脈での)『縁故入社』を復活させたのも首肯できるしな。」

「やろ?そこで聞きたいが、さっきの3つを考えるとき、『宗門系大学』ってどうよ?」

 

つまり、彼が言いたいのは、「仏教系」やら「キリスト教系」などの大学である。

 

「昨今の『少し保守系な価値観の方が安全パイ』というトレンドも含めて、どうよ?」

「…いや、意外と行けるんとちゃうか?」

「やろ?宗門系大学がめちゃくちゃ就職率ええの知ってるか?」「『高望みしない』という条件付きで。」

「…ほんまや。根こそぎええとこ多い!しかも、偏差値を前面に出してる宗門系より、そうでないところの方が!」

 

そして、円瓢箪はにやりと笑う。

「そこで、身延山大学 in 日蓮ネットワーク。寺院就職だけに限らず、舐めたらあかんのちゃうか。」

 

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何だか、新しい視点が提供された気がしてみなで唸った。確かに、変に小賢しい、もっと言えば自分のことを「俺って頭いいんじゃね?」と大きな勘違いをするSやA偏差値ランクの社会人の使えないこと。これは、我々、中間管理職的な立場で仕事をする世代にとっては極めて思い当たる現象である。「無難に」と思ったら、意外とこれからは「それほど肉食系でもない感じの宗門大卒」ってありなのかも知れぬ…。おもろいテーマをもらった。

 

そういうことを思い至った円瓢の学会出張だったらしいが、何でも翌朝は、朝に弱い彼が5時に起きて、総本山の久遠寺にて朝の勤行に参加してきたとのこと。山のてっぺんなのでどえらく寒かったらしい。首都圏より6度ほど。でも、興味のあるものなら早起きできるねえ。やっぱ変人やな。大音量の題目と共に 打ち鳴らされ る太鼓で失神するかと思ったそうやが。

 

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そうそう。日蓮宗繋がりで、京都タワーの傍にあってやたらと目立つ「法華ホテルの話も出た!…自由自在やな、俺らのトークは。ちょっとでも仏教にかすればどこまでも拡大しどこまでも縮小する。どうやら調べると、このホテルチェーンは、予想通り、信徒のために作られた初のビジネスホテルだったらしい!すげえな、日蓮人脈も!

 

そして、やはりその規模で他を凌駕するのが、浄土真宗(西)本願寺派である。人も多い、歴史もある、組織力が強大、そして故にこそ、偉人も多く輩出してきた。その晩は円瓢が、彼の大学の大先輩でもあり、敬愛する沼田惠範老師のことを語りまくっていた。大きな苦労をしながら米国での留学を成功させ、日本に戻りてベンチャー企業「ミツトヨ」を立ち上げて、世界で唯一無二の精密計測メーカーを作り上げ100歳近くで逝去された、僧侶でもある大企業家である。皆さんがホテルでよく見かける「仏教聖典」。あれは、ミツトヨの財団が巨額を投じてずっと継続して行っているミッション事業であった!ううむ。

 

そんなこんなで、やがて、2014年が終わった。
こんな節目に、改めて仏教者の偉大さを思い知った夜であった。

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